良い睡眠とれていますか?

睡眠の効果

私たちは、個人差はあります、1日6時間から8時間は眠っています。睡眠は、その日の心身の修復をし、疲れをとり、明日への活力を養う大切な時間です。また、心身のメンテナンスだけではなく、その日の情報の整理や記憶の定着も行っていると言われます。

睡眠の時間

睡眠は、生涯不要になることはありませんし、人によって必要とする時間にも差があるようです。睡眠時間は、一人一人の体質や生活内容で大きく異なるため、自然に眠れて、日中眠くて困ることがない程度の時間を目安にするのがよいでしょう。

年齢によっても眠る時間は変わってくると言われます。下のグラフは、年齢とともに眠れる時間の変化と寝床に入っている時間を表したものです。高齢になると、実際の睡眠時間は短いけれども、横になっている時間が長くなる傾向にあるようです。

入眠と覚醒の仕組み

私たちの体は、体内時計の働きによって、夜には眠くなり、朝には目が覚めるようにコントロールされています。これは、脳の視交叉上核₍しこうさじょうかく₎と呼ばれるところが担っています。

 

体を動かすことの多い日中には体温を高く保ち、体を休める夜は体から熱を放散し、特に脳を冷やします。同じころ、体内時計を調整するホルモンであるメラトニンが分泌を始め、入眠を促します。

 

そして朝方になると、覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まり、それと同時に体温も高くなり、目が覚めるのです。

 

 

良い睡眠をとるには?

規則正しい生活で睡眠の質を向上

 朝は太陽の光を浴びて起きましょう

 人間の体内時計は25時間ですが、太陽の光を浴びた時に、光は目から脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)に入り、体内時計が24時間に補正される。また、太陽の光は、松果体にも届き、朝浴びた時から、約10から14時間後に、「睡眠ホルモン」といわれるメラトニンが分泌され、寝つきが良くなります。太陽の光を浴びた時、セロトニンという「幸せホルモン」の分泌を促す効果もあります。

 毎日同じ時間に寝床につくようにしましょう

 週末は「寝だめ」をするとか、金曜日の夜は夜更かしをするなどは生活リズムを崩してしまいます。「寝だめ」は不可能です。飲み会や残業などで就寝時間が遅くなっても起きる時間は遅らせずに、いつもの時間に起きるようにしましょう。睡眠時間が短くてつらいときは、お昼休みに10~15分程度昼寝などをして疲労回復するようにしましょう。

 

寝る前の習慣を改善

 夕食は眠る3時間前に終わらせましょう。 胃に食べ物が残っていると寝ている間も胃腸が消化のため に働き続けるので深い眠りに入りづらいと言われます。寝てしまうと、胃などの内臓の働きも低下してしまうため、消化不良や胃もたれの原因になってしまいます。

入浴は就寝2時間前に済ませましょう。湯船につかることで深部体温が上昇し入浴後徐々に熱を放散して深部体温が下がりスムーズに眠りにつける傾向にあります。

 眠る前、スマホやパソコンは見ないようにしましょう。スマホやパソコンから発せられるブルーライトはエネルギーが強く太陽光に近い性質を持ち脳が誤認識して覚醒状態が継続されます。

 照明は暖色系の蛍光灯にしましょう。目に優しい光にしましょう。

 眠る前にアルコール・カフェインの摂取に気をつけましょう。アルコールは寝つきをよくする効果がありますが、アルコールが体内に入るとアルコールを分解するためにアセトアルデヒドが発生し、このアセトアルデヒドの働きによって深い眠りにつくのを妨げます。カフェインは交感神経を刺激する効果があり、眠るときに優位になる副交感神経の働きが鈍くなります。

 眠る前にタバコは吸わない。    

適度な運動で快眠                                                                                                                                                             

国内外において、運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。運動の内容も、1回の運動だけでは効果が弱く習慣的に継続することが重要だと言われます。運動習慣によって寝つきが良くなり、深い睡眠が得られると言われます。ただし激しい運動ではなく、負担が少なく長続きするような有酸素運動がおすすめです。

睡眠の質を高める栄養素

トリプトファン トリプトファンは、神経伝達物質であるセロトニンの原料であり、このセロトニンが脳内に分泌されて睡眠を促すメラトニンというホルモンが作られ分泌されます。トリプトファンをとるタイミングも重要です。食事は、口から食べて、胃や腸を通って栄養素が吸収されます。その吸収された栄養は血液に入り込み、肝臓などの内臓や脳に運ばれていきます。さらに、脳に運ばれた栄養は、神経伝達物質であるセロトニンを作り出すために作用し始め、作られたセロトニンを分泌、ついでメラトニンを作らせて、分泌するなどに使われることになります。トリプトファンを多く含む食事を朝食にとることで、寝起きを良くすることに加えて、寝つきも良くすると言われています。

トリプトファンを多く含む食材

     カツオ マグロの赤身 肉の赤身 

     牛・豚・鶏のレバー

     チーズ ヨーグルト 牛乳

     卵 木綿豆腐

 

その他 グリシン・GABA・マグネシウムなども睡眠に有効な栄養素ですが、お勧めしたいのが、和食の朝食です。わかめなどの朝食な海藻を入れたお味噌汁に、焼鮭などのお魚と玄米を合わせた朝食なら睡眠の質を高める栄養素を相当量摂取することができます。朝ゆっくり時間がないという方は、バナナと牛乳を摂取するだけでもおすすめします。トリプトファンをしっかり摂ることができます。

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