健康コラム 2019.第1号 内臓脂肪

内臓脂肪って何だ??

今回のテーマは、内臓脂肪!内臓脂肪はお腹の深いところ、腹筋より奥に、内臓を覆うように付きます。いわゆるぽっこりお腹の正体です。

内臓脂肪は非常に悪い物質を作ります。この物質は血液に入って全身に回り、血圧を上げ、血糖値を上げ、動脈硬化を進めます。また、血管の中で血を固まりやすくして脳梗塞や心筋梗塞を招きます。

内臓脂肪は生活習慣病全般の原因になるのです。

では内臓脂肪は身体には必要のない悪者なのか?いいえ、内臓脂肪にもしっかりとした役割があるのです。臓器と臓器のあいだに内臓脂肪がついて、臓器を正しい位置に固定する、また、外からお腹に衝撃を受けたときに、クッションのように臓器を守る役割もあります。

内臓脂肪は少ないほどよいわけではなく、つきすぎることが問題なのです。

☆内臓脂肪を増やす原因は・・・?

☆内臓脂肪を減らす10か条

1.ごはん+味噌汁の組み合わせが基本

ご飯+お味噌汁が和食の基本です。ご飯は何にでも合うので、ここに、さまざまなおかずを組み込むことができます。また、おかずを自由に追加して、栄養バランスを簡単に取れるのも和食の長所の一つです。初めはインスタントとか、出来合いのおかずを利用して構わないので、ごはん+味噌汁の基本を揃えるのに慣れたら、手作りに挑戦してみましょう。

2.魚を週4回食べる

特に青魚に多く含まれるDHAとEPAは中性脂肪を減らすことで内臓脂肪をつきにくくしてくれます。とくにDHAとEPAが多いのが背中の青い魚、サバ、サワラ、イワシ、サンマ、あとブリと鰻です。今が旬のサンマの塩焼きなら、一皿でEPAとDHAを2日分以上摂取できます。

3. 肉、乳製品を控える

肉と牛乳、乳製品は脂肪が多く、内臓脂肪が付きやすいうえに、これらの食品に含まれる脂肪はコレステロール値を上げやすいという欠点があります。同じ部位に含まれる脂肪の量は牛肉>豚肉>鶏肉なので、可能なかぎり、牛肉を鶏肉に代えてください。調理法の工夫も大切です。できあがった料理に含まれる脂肪の量は、揚げる>焼く>煮るの順で少なくなります。

4. 大豆製品を毎日一品食べる

まだ動物実験の段階ですが、大豆は内臓脂肪が出す悪い物質の作用を抑えて、脂肪の分解を進める成分が含まれています。納豆やお豆腐でも構いません。

5. トーストを4枚切りから6枚切りにする

内臓脂肪の蓄積は小さな習慣の積み重ねです。4枚切りのトーストを6枚切りにするか、普通盛りのご飯を小盛りにすると摂取カロリーが80kcal少なくなり、1年で80×365=2万9200kcal減らせます。内臓脂肪1kgにはエネルギーが7000kcalたくわえられているため、これだけで、一年後には約4.2kg脂肪が落ちる計算になります。

6. 果物より野菜、海藻を食べる

果物には、糖の一種である果糖という成分が多く入っていて、この果糖は肝臓で中性脂肪に変化します。とくに日本の果物は甘いので、野菜の代わりにはなりません。ビタミン、ミネラルは野菜から、食物繊維は海藻から摂るのを優先させてください。

7. アルコールは週に5合まで

アルコールは肝臓で分解されるときに、飲んだ量に比例して脂肪が作られます。また、食欲を高める作用もあります。アルコール飲料による違いはなく、一週間の合計で日本酒なら5合が限度です。(純アルコールの量にもとづいて換算すると、日本酒1合=ビールor発泡酒500ml=焼酎0.6合=ワイン4分の1本=缶チューハイ1.5缶 相当)

8.食生活は一週間単位で考える

1食ごとに栄養のバランスを取ろうとしたり、一回食べ過ぎたからダイエットに失敗したと悲観して挫折する人がときどきいます。食生活は一週間単位、一ヵ月単位で考えてください。昼に食べ過ぎたら夕食を軽くすればよいし、飲み会があったら一週間用心して過ごせば、いくらでも挽回できます。簡単な食事日記を2週間でよいのでつけてみると、自分の食事パターンが見えてきます。

9.よく眠る

睡眠不足は内臓脂肪を増やします。食欲を刺激するホルモンが増えると同時に、満腹感をもたらすホルモンが減ってしまうため、食べても満腹感が得られず、つい食べ過ぎてしまうからです。実際に、睡眠時間が短い人ほど肥満度が高いことが確かめられています。

10.一日あと3000歩多く歩く

歩く内臓脂肪を減らすには腹筋運動が有効だと誤解する人が多いのですが、筋トレだけで内臓脂肪を減らすことはできません。基本はウォーキングとかジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動です。細切れでもかまわないので息が切れる程度の運動を毎日トータル30分以上行ってください。3000歩余分に歩くと、だいたい30分有酸素運動することになります。いきなり運動30分のハードルが高いと感じる方は今よりプラス10分の運動にトライしてみましょう。ラジオ体操は筋トレ要素と有酸素運動要素が組み込まれているのでおすすめです。

参照:奥田昌子著書『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎)

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