野菜を摂りましょう!

●現代は野菜不足!

現代人は野菜が不足しがちです。平成30年の野菜類平均摂取量を見ると、成人男性で約290g、女性で約270gとなっています。特に20~30歳代は男性で約260g、女性で約240gと成人の平均より約30gも少ない量になっています。【図1】
野菜は「健康に良い」ことは知っているけれど、意識しなければなかなか十分に食べることができないのではないでしょうか。

                                              図1. 成人の野菜類摂取量の現状 

野菜には、体に欠かせない「栄養素」が詰まっています。

それらには、ビタミンC・カルシウム・カリウム・食物繊維など、体調を整え、生活習慣病を予防する「栄養素」が豊富に含まれています。

また、野菜は脂肪分をほとんど含まない「低カロリー」食材なので、肥満や糖尿病の予防にも役立ちます。

厚生労働省では、野菜摂取の目標を1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上とりましょうとしています。
今回は、この1日350gをしっかりとるための工夫についてご紹介したいと思います。

野菜といえば「生野菜サラダ」と思いがちですが、そのほかにも漬物や和え物・酢の物・煮物・炒め物など、野菜をたのしむ料理はたくさんあります。

味噌汁やスープなどの汁物も、野菜たっぷりの具だくさんにすれば、意外にたくさん食べられます。

●サプリメントでとれば?

野菜を食べなくても、野菜に含まれている栄養素をサプリメントでとれば同じではないか、と考える人もあるかもしれません。

しかしサプリメントは野菜の代わりにはなりません。
サプリメントは野菜に含まれている「限られた成分」を補うだけです。

野菜を食べるということは、その栄養素や機能性成分をまるごと摂取することです。ビタミンやミネラルはそれぞれ違う種類がお互いに助け合って、体内でより有効的に使われますので、単独でとってもきちんとは作用しないことのほうが多いのです。

また、サプリメントで特定の成分を過剰に摂取すると、内臓の負担になることもあります。

●野菜350gってどのくらい?


では、野菜350gを具体的な野菜で表すと、

ほうれん草…約1束
南瓜…約1/3/個
大根…約1/3/本
胡瓜…約3本
トマト…3個

それぞれ350gです。

一日、「両手に山盛りいっぱい」の野菜を摂りましょうともよく言います。

また、「野菜料理なら1日5皿」という目安もあります。一皿にほぼ70gの野菜ととらえています。

下の図を参考にして下さい。

1度の食事で5皿ではなく、この程度の量を1日の中で朝食・昼食・夕食に分けて食べましょう。

●野菜を摂るコツ

  • 旬のものを食べましょう。
  • 淡色野菜と緑黄色野菜のバランス良く(緑黄色野菜を120g以上)摂りましょう。
  • ビタミンA・D・E・Kの「脂溶性ビタミン」は油に溶けるので、油と調理する炒め物はそれらの吸収率がアップします。ほうれん草、にんじん、かぼちゃなどは炒めたり、揚げたりするといいです
  • コンビニやスーパーのカット野菜を利用しましょう。
  • サラダや炒め物など、その日のメニューにプラスしてみましょう。
  • 葉野菜は傷みやすいので、当日あるいは翌日使う予定の分だけ購入しましょう。
  • 余った野菜は、生のまま、急速冷凍するのがお勧めです。早めに食べきりましょう。
  • にんにくやしょうが、根菜類(じゃがいも、にんじん、大根、ごぼう等)は、日持ちがするので、常備しておきましょう。
  • きのこ類も和洋中、どんな料理にも合う食材なので、なるべく常備して食べましょう。

●簡単レシピ   

「カット野菜」を使って簡単蒸ししゃぶ 

スーパーやコンビニで売られているカット野菜。野菜炒めなどいろいろな野菜を少しずつ使いたい時に重宝しますね。でも野菜炒めに使うだけではもったいない。電子レンジで簡単に「蒸ししゃぶ」が作れます。

 

 

 

 

【材料】

カット野菜    1袋 

  (好みのもの200~300gくらい)

豚バラ肉     50g  

   (豚もも・魚の切り身などでも)

ポン酢・ドレッシング・めんつゆなど

【作り方】

1.カット野菜を水洗いする 

袋から出したカット野菜は、サッと水洗いしてから使います。

2.ぬらした厚手のクッキングペーパーでくるむ

耐熱皿に、水でぬらして軽く絞った厚手のクッキングペーパーを敷き、その上にカット野菜を置きます。一番上に豚のバラ肉などお好みの薄切り肉を並べます。もう一枚ぬらした厚手のクッキングペーパーをかけて野菜と肉をくるみます。

3.電子レンジで加熱する

写真の場合は、全体の量で約300gです。野菜の種類によっても若干異なりますが、このくらいの量ならば、電子レンジ500Wで約4分半、600Wなら約3分半が加熱時間の目安です。

豚バラは油が多いので、油の少ないロースやモモ肉でも鶏肉でも、また鮭・鯛・鯖などの魚の切り身などでもよいと思います。量と大きさで加熱時間は変わってきます。色々試してみてください。

タレは、ポン酢・ドレッシング・ゴマダレ・めんつゆなどお好みでどうぞ。

シリコン製の蒸し器などがあればキッチンペーパーが必要なく、もっと手軽に作れます。

 

●その他の簡単調理

1、根菜炒め蒸し  

小さめの一口大に切った根菜を油で炒めて、大さじ2-3杯の水を加えてふたをして、弱火で2-3分蒸し煮にするだけ。

2、残り野菜のいいかげん炒め  

冷蔵庫に残っている野菜を全部使いましょう。硬めの素材、火の通りにくそうなものから炒めはじめることがコツです。カレー粉や唐辛子、ローズマリーなどのハーブを一緒に炒めても味わい豊かに。

3、何でもグリル焼き野菜で食べよう!

薄めに切った野菜をグリルで焼くだけです。

味付けは、これがあれば何とかなりますよ!
アンチョビ、カレー粉、塩麹、しょうゆ麹、ご飯のお供調味料、ポン酢、麺つゆ、市販のドレッシング、練りごま、バーニャカウダ、キムチ、マヨネーズ、ヨーグルト等。塩昆布、油の代わりにマヨネーズで炒めるなどもよいでしょう。

4、野菜たっぷりスープで食べよう!

お好みの野菜をたっぷり入れて、食べるスープ(ミネストローネ)、食べるみそ汁を作ってみましょう。スープに溶け出した栄養素もしっかり取れて一石二鳥です。豚肉やベーコン、油揚げなどのだしの出る素材も加えると栄養満点でおいしさもアップします。

5、野菜たっぷり鍋で食べよう!

お肉やお魚を少しにして、野菜たっぷりのお鍋はいかがですか!?
昆布だし、ブイヨン、キムチ、みそ、しょうゆ、トマト、コーン、ミルクなど使えるものはたくさんあります。

6、お手軽に野菜ジュースで食べよう!

市販のジュースを飲むのも一つの方法です。ただし、できるだけ塩分、糖分が少なめのものを選びましょう。

好きな野菜をミキサーを使ってジュースにしてみましょう。一緒にフルーツを加えるのもお勧めです。

7、根菜の混ぜご飯 

ご飯に混ぜて炊くことで、根菜類がたくさん取れます。里芋やにんじん、れんこんなどを1cm角に切り、だししょうゆを加えて、普通のご飯同様に炊きます。

  • カレーやハンバーグ、餃子などに野菜のみじん切りをたっぷり入れて作ってみましょう。
  • 薄切りにして、すし酢に漬ける。簡単漬物の出来上がり。黒こしょうもプラスするとピクルスに変身、さらにおいしくなります。
  • 野菜が苦手な人は、サラダなどにりんごやみかんなど果物を加えるとよいでしょう。
  • 野菜炒めなどに、パイナップルやキウイを入れるとお肉が柔らかくなる効果があります。

●最後に

食事は野菜だけでなく、ごはんや肉・魚など様々な食品を組み合わせて食べる、つまり主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることにより、必要な栄養素をまんべんなく摂ることが必要です。「野菜を350g食べれば、あとは自由に食べて良い」ということではなく、野菜と一緒に食べる食品からの栄養素摂取のバランスも必要です。野菜を食べるということは、食生活全般を見直すことにもつながるのです。

                          【 参考資料:厚生労働省HP・NU+HP 】 

 

 

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