●朝食を食べていますか?
保健指導で、朝食を摂らない理由としてよく耳にすることが、「朝は忙しいから」「朝食を食べる習慣がなくて」「お腹がすいてなくて」「太るから」など様々な意見があります。
朝食の欠食率(平成30年国民健康・栄養調査)をみてみると、男性で15.3%、女性で8.9%です。年齢別にみると、男性・女性ともに、その割合は20歳代で最も高く男性で29.9%、女性で18.9%です。ついで男性では30歳代で28.4%、女性は50歳代で13.0%です。若い世代での欠食者が目立っています。
※ここで言う欠食とは、「菓子・果物・乳製品・嗜好飲料などの食品のみ」「錠剤などによる栄養補給・栄養ドリンクのみの場合」「何も食べない」に該当した場合。
●朝食で体内時計を整えよう!
ではなぜ、朝食が大切なのでしょうか?私たちの身体は、朝日を浴びることと、朝食を食べることがそろうことで体内時計が整うようになっています。朝食は起床後「2時間以内」に食べる必要があるのです。また、毎朝決まった時間に朝食を食べることも大切です。
週明けに体調が悪いという人が多くいますが、これは週末に生活のリズムが乱れ、体内時計が狂ってしまっていることが影響していると考えられます。また、朝食から夕食までを12時間以内に摂ることで体内リズムが整い代謝も良いともいわれています。夕食がどうしても21時以降になってしまう場合は、17~18時頃に軽い食事を摂ることで、昼食からの長い血糖低下を防ぐことができます。また、夜食を控えることができるので肥満予防にもなります。
1日の食事回数が少ないと夕食で摂った多くのエネルギーが体脂肪として蓄積されやすくなり、太ってしまいます。肥満が高血圧や心臓病にとって良くないことは知られている通りです。生活のリズムを整えるために余裕を持って早起きをして朝食を食べる習慣を身に付けましょう。
●どんな朝食がいいの?
1.脳のエネルギーを補給するためのご飯やパンなどのでんぷん質を多く含む食品
2.体温を上げるための卵、魚、肉、乳製品などのタンパク質を多く含む食品
3.体に活力をつけるためのビタミン、ミネラルの豊富な野菜と果物など食品
「3つの食品を」組み合わせることが基本となります。
「ご飯と味噌汁」「パンとコーヒー」だけでは1日の良いスタートはきれそうにありません。
●ご飯のときは、たくさんの具をいれたみそ汁と卵または納豆、焼き魚にお浸しなどを組み合わせ
ましょう。
●パンのときは、卵やチーズ、ヨーグルトなどのタンパク質、サラダなども一緒に食べましょう。
●短時間でできる朝食の工夫!
1.パンやごはんの他に、スープの中に肉とたくさんの野菜を入れる。または野菜をたっぷり入れた
味噌汁に卵を落す。
2.たくさんの野菜と魚、肉、乳製品、卵などを使ったチャーハン、サンドイッチなどは短時間ででき
ます。
●朝食で免疫力アップ!
朝食を食べて、脳にエネルギーを補給されることで仕事や勉強の集中力を高めることができます。ま
た、朝食をしっかり食べることで腸が刺激され排便のリズムを整える効果もあります。
●インスタント味噌汁を使って具だくさんの簡単味噌汁を紹介します。
★好みの野菜(きゃべつ、玉ねぎ、にんじん、ナス、大根、もやしなど)で電子レンジとインスタント
味噌汁で簡単朝食1品!!
1.好みの野菜を大きめの耐熱器に入れふんわりとラップをかけて、電子レンジで2~5分(具により
調整)温める。
2.味噌汁碗にインスタント味噌汁(わかめ、豆腐、あさりなど好みで)と1.の野菜を入れる。
3.温かいお湯をお碗に注げば出来上がり。
簡単味噌汁を使った朝食はいかがですか?ぜひ試してみて下さい。
・ご飯
・味噌汁(インスタント味噌汁に好みの野菜を入れる)
・ひじきの煮物(市販品を利用)
・目玉焼き
・ヨーグルト(牛乳や豆乳)
<一人分の栄養価>
エネルギー 517Kcal たんぱく質 21.7g 脂質 14.3g 炭水化物 76.1g 食物繊維 7.8g
食塩相当量 2.7g
参考:時間栄養学ー時計遺伝子と食事リズム 平成30年度「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)