<禁煙のススメ8>加熱式タバコ4つの真実

アイコス(IQOS)などの加熱式タバコ、「副煙流がない」「害がない」「禁煙に役立つ」といった声をよく聞きます。実際のところ、加熱式タバコの影響はどんなところにどんなふうに出てくるのだろうか。

(1)本人に害がある~タール・ニコチン量は紙巻タバコと大差ない

紙巻タバコ煙の三大有害成分はタール・ニコチン・一酸化炭素だが、日本と韓国の公的機関は、タールとニコチン量について、加熱式タバコと紙巻タバコの間に大差がないというデータを発表している。

アイコスのあれこれの有害物質量は紙巻タバコより一桁少ないと宣伝されているが、1 日わずか 3 本の喫煙でも、1 日 20 本以上の喫煙に近い心臓病リスクがもたらされる。だから、有害物質が 10 分の 1 に減っても、病気の危険がそれに応じて減ることは期待できない。

(2) 周囲の空気を汚す~アイコスなどのミストばく露で非喫煙者の半数が体調不良

電子タバコ(主にアイコス)のミストにさらされた非喫煙者の 49.2%が粘膜刺激症状、体調不良を訴えた。紙巻タバコによる受動喫煙では非喫煙者の7割が目の刺激症状、2割前後が咽頭痛を訴えており、加熱式タバコは周囲の非喫煙者に紙巻タバコと大差ない
急性症状をもたらすおそれがあると思われる。

(3) 禁煙の邪魔をする

紙巻タバコ喫煙をやめる手段として、加熱式タバコをふくむ電子タバコ使用が有効かどうかの調査結果が日本と欧州から発表された。いずれにおいても、加熱式タバコをふくむ電子タバコ使用者の禁煙成功率は、電子タバコ非使用者の成功率を有意に下回っていた(図3)[6,7]。加熱式タバコなどの電子タバコは禁煙を妨害していた。事実、日本ではアイコスを含む電子タバコ使用者の 72%が紙巻タバコ喫煙も行う「デュアルユーザー」であると報告されている。

(4) 子どもと若者の喫煙を促進する

電子タバコの宣伝と使用経験は子どもと若者の紙巻タバコ喫煙率を有意に増加させていた。加熱式タバコに限った調査報告は今後報告されるだろうが、子どもと若者へのアピールに重点を置いた加熱式タバコと電子タバコのプロモーション戦略は共通している。子どもと若者がコンビニやネットで加熱式タバコの宣伝にさらされているわが国の状況を考えると、子どもと若者の紙巻きタバコ使用が増加するおそれは否定できない。

日本禁煙学会HPより

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