ストレスが血糖値をあげる?

日々の生活のなかで、私たちは多少の違いはあると思いますが、何らかのストレスを受けています。そのストレスが体に与える影響は、少ないとは言えません。昔から「病は気から」とも言われています。

血糖値もその例外ではなく、痩せていて食事の量が控えめでも、ストレスのせいで糖尿病になるケースもあります。ストレスと血糖値の意外な関係、血糖値を上げないための具体策(ストレス解消法)をお伝えしたいと思います。

 

しかしながら、血糖値は食事のあと必ず上昇するので、糖尿病の発病・悪化を防ぐためには「ウォーキングなどの運動を行う」、「腹八分目にする」、「野菜から食べる」などの対策は忘れてはいけません。

  • ストレスと血糖値

一般的には「血糖値対策=食事療法」と思われていますが、最近はストレスの影響で高血糖になり、糖尿病を発病するケースもあります。精神的ストレスと肉体的ストレスがどのように血糖値を上昇させるのでしょう。

  • 血糖値をあげる精神的ストレス

長年の研究により、精神的なストレスが心身にどのような影響を与えるのか、徐々に解明されつつあります。例えば、ストレスによって血糖値が上がる、というのも影響のひとつです。毎日血糖値の自己測定を行っていると、食べたものがいつもと変わらなくても、なにか心配なことがあるとき、嫌な思いをしたときに血糖値が高くなることがあります。

  • 緊張すると血糖値をあげるホルモンが分泌

人間の気持ちと身体は連動し合っています。
会議の前など、なにか緊張する場面になると、ストレスにより交感神経が活発になります。

緊張するとグルカゴン、アドレナリン、甲状腺ホルモンなどのホルモンが分泌されます。
これらのホルモンは血糖値を上げる働きもあるため、たとえ空腹状態でも数値がグングン高くなります。

ストレスで血糖値が上がるのは大昔の記憶が体内に残っているからだとも言われます。
猛獣に襲われることが多かった狩猟時代は、狩りの度に神経を張りつめなければいけませんでした。闘うときは筋肉を最大限稼働させるため、エネルギー源になるブドウ糖を大量に消費します。

現代もなにか危機的状況に陥ると、人間の身体は血糖値を上げるホルモンを大量に放ち、危険に対処しようとします。
ピンチになると血糖値が上がる反応は、太古の記憶に結びつく自然な現象で、意思の力で抑えるのは不可能です。

逆に、緊張感から解放された途端に空腹を感じ、ついつい食べ過ぎてしまうという事もありがちですよね。

  • 肉体的ストレスで血糖値も上昇

糖尿病の治療の現場でも、肉体的ストレスの影響は重視されます。風邪などシックデイ(病気のとき)に血糖値が上がることが分かっているからです。手術中や負傷時など身体がストレス下にある時も高血糖になります。

身体が過酷な状態にさらされると自動的に分泌されるカテコールアミンやコルチゾールなどのホルモンは、ストレスを軽くする働きと同時に血糖値を上昇させる働きがあるからです。

  • ストレスの原因を把握する方法

ストレスは無意識のうちに蓄積されていくこともあります。ストレスの原因を把握するためにも、まずは自分自身の気持ちと向き合ってみましょう。普段から我慢したり、気を使っていたりしていると、少しずつ本当の自分が見えなくなってきます。今、自分が何を感じているのか?なぜイライラしてしまったのか?を相手に向けるのではなく、自分自身の心に目を向けてみてください。心の変化を見つけられるだけで、緊張状態が和らぐこともあるため、まずは、心や身体に負荷を感じた時、自分を大事に思うことからはじめてみましょう。

  • オフィスで今すぐできるストレス解消法

オフィスでは、1時間に数分でいいから小休止するのがお勧めです。それだけで脳が休まって気持ちがリフレッシュされます。

 

(1)目を閉じて何も考えない
(2)呼吸に集中しながら深呼吸する
(3)ストレッチして身体を動かす(手足の力を抜く、背伸びをするなど)
(4)席を立って歩き回る
(5)飲み物や甘いものを口にする

 

  • オフタイムにぴったりなストレス解消法

オフタイムは、自分が心地よいと思ものを受けて、ストレスから解放してあげましょう。

(1)心地よいと五感で感じることを楽しむ

視覚なら花や緑を眺める、聴覚なら音楽を聴く、嗅覚ならアロマを焚く、味覚なら美味しいものを食べる、触覚ならマッサージを受けるなど。

(2)映画鑑賞や読書で泣いたり笑ったりする

「泣いたり笑ったりする」のも、感情のアウトプットになります。しかし、自分の身に起こった出来事で泣くのはエネルギーの消耗になるので、映画や本などならば、他人事なので心のダメージが無くて済みます。

(3)スポーツジムに行く

「スポーツジム」を挙げたのは、いろんなタイプにフィットするからです。一人黙々と運動することも、スタジオプログラムに参加してみんなで楽しむこともできます。 ジムで顔なじみになった仲間とおしゃべりもできます。何より、誰かとの約束事と違って、行きたいときに行けばいいので気が楽です。

ジムに行かなくても、ジョギングやウォーキングは単純作業に似ているので、頭を空っぽにするのに有効です。外で運動すると(5)の日光浴にもなって、抗うつ効果が期待できるので一石二鳥です。

(4)創作・作業に没頭する

「創作」は、モノをつくっていると“無”になれます。箱庭でもジオラマでも、自分の興味があるものを試してみましょう。料理をつくるのが好きなら、料理も良いです。家庭菜園など何かを育てるのも効果的です。

(5)日光浴をする

日光は精神状態にとても大きく関係しています。日光を浴びると、精神の安定に欠かせない脳内神経伝達物質のセロトニンが分泌されて、気持ちが安定するといわれます。

 

ゆっくりとお風呂に入るのもいいし、カラオケ好きならカラオケもいいです。

一人カラオケは誰にも気兼ねなく大声が出せてスッキリしますね。

要は、自分が好きなことなら何でも良いのです。

「何をしているときが楽しいのかわからない」という人は、自分に合うことを探すことそのものを“楽しみ”にできれば良いと思います。

また、信頼できる人に状況を話して、ストレスを共有してもらうのも、気持ちが楽になると思います。

下の図は様々なストレス解消法です。既に実行されている方もおられると思います。人の世って好みは違うと思います。自分にあったものが見つかると良いですね。参考になればと思います。

 

  • 避けたいストレス解消法

注意が必要なストレス解消法は次のような場合です。

・暴飲暴食

・過度な飲酒

・過度な喫煙

・過度な買い物

・ギャンブル

 

  • 今回は血糖に限って記載しましたが、ストレスで上昇させるのは血糖だけではありません。血圧・血中脂質・肝機能など様々な体の不調の原因となります。

  辛い状態が続く場合には無理せず早めに専門家に相談しましょう。

            

                  【参考資料 : 朝日新聞リライフネット、メディパレット、ダイヤモンドオンライン etc.

 

 

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